楠へのこだわり

楠の大木
橋詰家具で使用する楠(くすのき)は、主に佐賀県や熊本県、鹿児島県周辺の南九州産の楠を使っています。古来よりご神木として人々に崇められ、楠の持つ効能によって人々を助けてきました。
楠は日本古来の木で、日本最古の正史とされる「日本書紀」にも登場し、古代人にも極めて大事な樹種でした。楠は九州に特に多く生息し、古くからお寺や神社の境内に植えられたり、神社仏閣などの建築材や仏像、欄間の彫刻材に用いられ、ご神木として人々の信仰の対象とされてきました。
現在、日本に生息している巨樹トップ10のうち8本は楠がランクインしており、その殆どは国の保護指定を受けています。そんな貴重な材料を橋詰家具では大切に使い、製品にしています。

「壮大な感覚の杢目」と「防虫効果」

楠の芽
楠の杢目(もくめ)や色合いは均一ではなく、「※交錯木理:こうさくもくり」と呼ばれる赤みや青み、黒みを帯びた濃淡の縞模様が発現する、杢目に個体差が大きい材料としても知られています。
楠の特徴はその壮大な感覚の杢目や、害虫を寄せ付けないための強い防虫効果薬効の効果があり独特な清涼感のある香りを放つ「樟脳」が非常に多く含まれています。その樟脳を含んだ芳香は「フィトンチッド」と呼ばれ、楠が森に住む有害な昆虫や微生物から身を守るために楠自身が自己防衛のために作り上げてきた物質であり、私たち人間にとっては「森の精気」と呼ばれ、消臭効果や脱臭効果、心に落ち着きを与えるアロマ効果や空気浄化の効果など多くの恵みを与えてくれます。
※交錯木理とは放射方向(木の太さ方向)に木の左右のねじれが交互に入り混じる木理のことです。

貴重な天然材

楠材

「壮大な感覚の杢目」と「防虫効果」でも挙げたとおり、楠の杢目は交錯木理と呼ばれる濃淡の縞模様が発現し、杢目の個体差の大きい材料として知られています。貴重な天然材ですので、橋詰家具では色や杢目を職人の手によりバランスよく配置しながら選り好みせず、品質に問題ないと判断した材料は出来る限り大切に使用しています。
ただ、製品の表面や内装材に使用できない部分の材料もありますので、そういった材料は工場の燃料として無駄なく使用しています。

楠材で作られたプロダクト

橋詰家具では楠材を使った多くの製品を取り扱っております。
プロダクトのページでご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

楠材の管理について

① 丸太で購入

橋詰家具では、楠を丸太で購入します。それは、より安定した材料の管理を行う為、また、上質な材料を吟味して使用する為、直径30cm以上の丸太を曲がりや反りなどの少ない上質なものだけを選定して購入します。直径30cm以下の丸太は、節や流れ杢が多く、製造上使いにくい板材となってしまう為です。

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② 追い柾・柾目で製材

楠の製材は節が板材の中央に入らないように細心の注意を払い、製材を行っています。そして、木目は追い柾や柾目になるようにしています。それは、板材になった時にねじれや反りを少なくする効果があります。また、板材になった時に木目を美しく見せる効果もあります。

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③ 蒸煮処理

板材に製材し、乾燥釜に16時間生蒸気を送り込み蒸煮(じょうしゃ)処理を行っております。これは、楠独特の多すぎる樹脂分を減らし、板材に適した含水率に平準化するためです。この蒸煮処理工程を行う事により、以前は1年かけて行っていた天日乾燥を5~6ヶ月に短縮することが出来ました。天日乾燥の短縮は、材料の痛みを和らげてくれます。

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④ 天日乾燥

蒸煮処理を行った板材は、5~6ヶ月の天日乾燥を行います。

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⑤ 人工乾燥

天日乾燥を行った板材は、最新式の乾燥釜にいれて、人工乾燥を行います。この工程で、含水率を一旦8%まで落とします。その後、コンディショニングを行い、平行含水率を10%に戻します。

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⑥ 室内養生

室内養生
人工乾燥で含水率を10%まで落とした板材は、まだ板の応力が抜けきっていません。乾燥釜から出した板材を室内養生によって再度大気中の水分を吸収させる事により、板の表面と内部の含水率を均一化させます。
この工程で、板の応力を抜きます。応力をなくす事によって、製品になった時の材料のひび割れや反りを可能な限り少なくします。
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